約10ヶ月ぶりの生音はQuattro Mirage 2020 Nakamura Emi×佐藤千亜妃
仕事終わり、約10ヶ月ぶりのライブを見に行くために、新しいワンピースに着替えて、目元のお化粧をちょっとゴージャスにしてみて、渋谷クアトロへ向かいました。
初めて入るクアトロ、コロナ対策もバッチリで、検温や消毒はもちろん、チケットのもぎりは自分でやる、ドリンクはペットボトル飲料を配布、など。
一段上がったカウンターが一席空いていたのでそこに座ることに。
今回行ったライブは「QUATTRO MIRAGE×LIVE LOVERS Quattro Mirage 2020 Nakamura Emi×佐藤千亜妃」です。
私とNakamura Emiさんの出会いは、高校生の時に行ったビレバンだと思います。
NIPPONNO ONNAWO UTAU vol.2が大きく展開されていて、そこに流れる曲の虜になりその場でCDを買いました。
それからとてもゆるく活動を応援していて、ある時ライブを見られるかもしれないというタイミングがありました。
それはフリーライブで、うちから近くもないけどいけなくもない距離でした。まだライブやコンサートにあまり行ったことがなく不安だった私は、これならいけるかもしれないと思って行ってみることにしました。思いつきで向かったので到着がギリギリになりそうで、走れるところは走ってとにかく全力で向かいました。
いざ、会場についてみると閑散としていて、とてもイベントが行われているようには見えません。なんで?どうして?場所間違えた?
そのイベントは、悪天候により途中で中止となっていたのです。
今ほどSNSが活用されていなかったからでしょうか、私は中止と言う知らせをどこからも受け取ることができず、一人バタバタとたどり着いて途方に暮れました。
そのことが深く心に残っていて、そこからライブという体験からまたグッと離れてしまいました。
佐藤千亜妃さんは、現在活動休止中の「きのこ帝国」というバンドのギターヴォーカルで、現在ソロ活動中です。
今年の5月に行われるはずだった「VOICE」というセルフカヴァーライブのチケットを撮っていましたが、コロナによって開催中止に。私のチケットも払い戻されました。
初めて千亜妃ちゃんの歌声を生で聴ける!と思っていた矢先の中止。
刻々と状況が悪くなっていく中だったので覚悟はしていましたが、やっぱり残念でした。
この「Quattro Mirage」というイベントに「ありそうでなかった組み合わせを実現」という特徴があり、今回はこの2組となったわけですが、共に大好きで、共にライブに行けなかった経験がある不思議な繋がりを私の中で持っていました。
ライブを知ったのは、偶然にもチケット販売の前日。
当日は販売開始時刻の1分前に起きて(寝坊)、iPhoneとiPadの2台体制でチケット争奪戦に参加。無事にチケットを取ることができました。
宗本康兵さんのピアノから始まり、ステージに佐藤千亜妃さんがあがる。
「STAR」
「You Make Me Happy」
とスタートダッシュに比較的力強かったりリズミカルだったり明るい面が出たところで
私がその魅力をバケモノのように恐れる曲
「太陽に背いて」
が放り込まれました。
(東京メトロのCMソングになっていたらしく、最後に佐藤千亜妃さんが赤い服を着て出てきます。)
このまま音源化して欲しいほど、宗本さんのピアノが2枚も3枚も妖しく楽曲を包み込み、何か大きな渦に巻き込まれ飲み込まれているような感覚になる体験でした。ライブが終わった後数日は呪われたようにこの楽曲を聴いていました。
「Summer Gate」
「大キライ」
MCを挟んでからの
「橙ラプソディー」
自粛期間にシンガーの間で回された「♯うたつなぎ」だったかな、違うかも、とにかくハッシュタグをつけて一節歌う動画をバトンのように繋いでいくムーブメントがあったんですが、そこで佐藤千亜妃さんが選んだ楽曲は「橙ラプソディー」でした。
ライブで何度か披露されている楽曲らしいんですが、私はその時に初めて知りました。
誰しもが夕焼けの中で体験した感情だったり、どこかで思い描いてみたことのある美しい情景が、そのまま真空パックされたような楽曲だと思います。
ずっと聴きたかったので、生で聞くことができて嬉しかったです。音源として発売される日が待ち遠しいです。
「Bedtime Eyes」
「リナリア」
ときて最後の
「空から落ちる星のように」
この楽曲も奥行きがあり、ささやかに光り輝くものを包み込んで大切にしているような雰囲気を持っています。掴めない水の動きとは思えないほど、勢いを持って体を引き摺り込む波の戻りのように、すべてをかき集めて静寂を残すように終わりました。
転換の最中、ドラマーが確認のためにドラムから音を出した瞬間
「この人何かがやばい、やばすぎる」
と思いました。
続いてNakamura Emiさんのライブ。
「女子達」
「大人の言うことを聞け」
ここらへんまで、初Nakamura Emiに圧倒されているのはもちろんのこと、「まじであのドラム誰なんだ」の気持ち、素晴らしい演奏に胸がいっぱい、混乱、でした。
確かどこかのMCで「ドラムにtoeの柏倉隆史」さん、と紹介があって「toeの!!」となりました。
toeといえば確か20歳の頃、何かのきっかけでアルバム「the book about my idle plot on a vague anxiety」の「メトロノーム」に出会った(多分クラムボンの原田郁子さんを辿って出会った)。インストゥルメンタル楽曲に初めて感動して、聴きまくっていました。
そして最近、何かのプレイリストでいいなと思ってよく聞くプレイリストに入れていた「月、欠けfeat.ACO」がtoeの楽曲だと知りました。知らずに聴いてた。
このぐらい表面的にしか楽しんでいなかったので、その姿を見ても、プレイを見ても誰かはわからなかったんですが、「toeの、」と聴いた瞬間めちゃくちゃストンと腑に落ちました。
まさか、Nakamura Emiさん、佐藤千亜妃さん、さらには柏倉隆史さんの演奏まで聞けるなんて。こんなスペシャル私得回があって良いのでしょうか…
「東京タワー」
KPOPにどっぷり浸かっていた間の楽曲の全ては追うことができていないので、この楽曲はライブで初めて聴きました。
初めて聞く楽曲に対して自分の中では壁のようなものがあり、すべてを拾おうとしてしまうせいか、凹凸のないのっぺりとしたものに聞こえてしまうことが多いです。しかしこの楽曲は初めて聴いた瞬間からスッと自分の中に入ってきて、歌の中を漂う人間の痛みや苦しさを自分のことのように感じました。
東京タワーを見てみんなが感じる、胸の中の少しの痛みや懐かしさ、あの幻想的な赤橙色、どこか懐かしいその存在と美しさに寄りかかりたくなる弱さの中の強さがひしひしと伝わります。
「ちっとも知らなかった」
「一服」
「甘っちょろい私が目に染みて」
(8:53〜から)
この曲を聞くことをとても楽しみにしていました。
サビから伝わるエネルギー量が尋常じゃないんです。
「私は私を信じてあげてなかった」と言うところがとても好きです。
「かかってこいよ」
「YAMABIKO」
NIPPONNO ONNAWO UTAU vol.2の1曲めはこの曲でした。
思い入れもたくさんある曲で歌われることを楽しみにしていたんですが、本編最後ということもあってかもう柏倉さんの止まらなさがすごすぎて意識があっちに行ったりこっちに行ったりと大変でした。
ドラムの入りがクレッシェンドかかったドラムロールなんですが、物理的にすごく遠くからこちらに走ってきたかのような、音速で目の前に現れたような、スネアひとつの音がこんなにも表情を持つのかと感動して泣いてしまいそうになる程に神がかっていたんです。
耳に煌びやかな音の余韻が残る中で、拍手はそのままアンコールとなり、再び登場。
アンコールは配信にも乗らないとのことで一夜限り、私たち限りのお祭り。
「モチベーション」
とにかくGt.カワムラヒロシさんと柏倉さんのセッションに圧倒されて、ついていくのに必死でした。初めてNakamura Emiさんの歌を聞きにきたのにすべてをかっさらっていく柏倉さんのやばさ。少しだけお裾分けしてくれています↓
🚩ちらっと
— NakamuraEmi (@nakamura_emi) 2020年10月16日
佐藤千亜妃ちゃん2マン
QuattroMirage
実は配信を終えた後、会場の皆様だけ見れたアンコールが。その曲の
Gt.カワムラヒロシ
Ds.柏倉隆史
お二人のセッションを少しだけ。
このメンバーだからこそのセトリ。
是非配信でも楽しんで頂けたら!
アーカイブ18日〆!https://t.co/23Faybthif pic.twitter.com/mVQIwMk05U
熱狂のなか公演は終了、よく聞くその通りになりました。
席ごとに規制退場、私のブロックはかなり早めに退場することができました。
公演中に観客はマスクをしているけど、声を出してはいけない状況でした。
こんなに最高なライブのその場にいるのに声を出せないことがどれだけもどかしくて地獄かを私は全然わかってなかった。抱えきれずこぼれる気持ちを撒き散らしながら帰りにカラオケボックスにIN!歌いまくって声を枯らして家に帰りました。
久々の生音、ずっと見たかったアーティスト、まさかのアーティスト、全てが刺激的で自分の世界が激しい振動と共にググッと押し広げられたような夜でした。思い出に残る、忘れられない夜のうちの1つになりました。
是非今後も両アーティスト、そして柏倉さんの演奏も、見に行きたいです。
完全に余談だけどtoeで思い出したのが、クアトロフォルマッジの友達の
当時の彼氏は、共通の友達であるバンド好きな人だったんだけど、私が最近toeを聴いてる・多分彼氏に聞いたらわかると話したらその場で彼氏にLINEを送り、彼氏から「toe知ってるんだ、へ〜」みたいなノリで何か忘れたけどムカつく返事が返ってきたので、軽くお酒を飲んで良い気持ちになっていた私が「何でもかんでも上から目線で説明すんじゃねーよ!!」みたいな感じで怒って友達がゲラゲラ笑いながらそれを動画にとって彼氏に送りつけていたような記憶がある。